納入事例
駕籠 ご修復
御寺院様に伝わる駕籠をご修復させていただきました。
かなり年数が経ったもので、相応に傷みもありました。
外部は網代(編み込み)仕上げですが、木の表皮が無数の虫食いがありました。
損傷の激しい部分は補充し、天然漆を重ね塗りして仕上げました。
うるみ塗りで塗り上げています。
内部は、朱塗りを基調とした造りとなっています。
障子や紗張りが施され、昔は実用されていた事がうかがえます。
金具も黒く変色していましたが、検証しますと金色と銀色が残っており、そのように復元させていただきました。
修復前
修復後
スタッフボイス
駕籠のご修復は可動する部分がある事と、人がお乗りになる可能性もあるので慎重に進めていきました。
永年の経年変化で床板は割れてしまい、外装・内装もとれも傷んでいました。
まずは木地直しに手間をかけてじっくりと取り組みました。外装は網代(あじろ)仕上げでしたが、欠損している所もあり補充しました。
塗りは、うるみ塗り(濃いあずき色)を下地なしで重ね塗りしました。
内装は朱塗り、座布団・背もたれは金襴、障子、御簾もお修理しました。
錺金具は、金の部分と銀の部分があり同じ仕様で修理させていただきました。
時間はかかりましたが、よい経験となり、ご住職様や檀家様にも喜んでいただき充実した仕事となりました。